紅葉した寺院を題材にデジカメの撮影方法のお勉強会を開催します。
日付 2024年12月2日(月)
時間 13時から15時
場所 正楽寺 (当教室より徒歩5分)
若林区寺2-6-35
参加料 1,000円
募集人員 10人
撮影実習
先日、近くの正楽寺さんの境内で、基礎・続基礎写真コースで学んだ事を元に紅葉風景の撮影実習を行いました。紅葉は終盤を迎えておりましたが、撮影の基本を学ぶ上で良い経験になったと思います。
撮影に際し、以下の目標を持って実習を行いました。
目標
① 被写体となる主役NO1・脇役NO2を決める
② どのような雰囲気・イメージで撮影したいのか
③ なるべく3分割構図を意識する
④ 背景を意識して4辺4隅に不要な物を入れないようにする
⑤ 手前から奥までピントの合っているパンフォーカス撮影を実現する
⑥ 素晴らしい写真では無く、目標を実現する為の技術と考え方の習得
実習参加者皆様の写真 左が撮影生データ 右が修正データ
※画像はダブルクリックすると大きくなります。
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1 Y.Oさん
F11 1/60秒 ISO200
焦点距離 32mm
遠近感がありモミジのボリュウーム感もあり良い写真となりました。
明るい白壁と影になった暗いモミジが同じ画面に入っているため、適正な露出を決めるのが難しい状況ですが、白トビしない程度ギリギリに露出をプラスにして撮影したことが良かったですね。 -
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右端中央に見えていた空が抜けていて目線が引っ張られてしまっていました。トリミングでカットしています。
白壁のハイライトを抑え、モミジのシャドーをプラスにしてみました。
絞りをもっと絞ってみると、白壁のモミジにもピントが入っていたように思います。
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2 C.Tさん
F13 1/200秒 ISO800
焦点距離 43mm
標準域の焦点距離を使うことで圧縮効果もありモミジのボリュウーム感がアップして良いですね。
白壁が画面中央にあり、露出をプラスにできない状況でしたが、もう少し明るく撮っておくと更に良かったと思います。
どの位まで露出をプラスにすれば補正できない白トビの限界を知ることが大切です。
この場合ISO感度が800である必要があったでしょうか。できるだけ小さい数字で撮影しましょう。 -
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画面左端に木がドーンと入っていた事とその周辺に黒つぶれしている所が多かった為、左と下部分をトリミングしてみました。
全体の露出をプラスにして、左下が黒つぶれのシャドーを更にアップしています。白壁のハイライトをややマイナスして露出を整えています。
門の位置がやや右に寄っているのをセンターにして撮ってみてはいかがでしょうか。シンメトリー構図です。
※ 1Y.Oさん と 2C.Tさん の写真から
お二人共、ほぼ同じ位置から撮影していました。
焦点距離の違いで見えてくる物が違ってきます。短い焦点距離で撮った写真を後でトリミングしても、長い焦点距離の望遠側で撮った写真にはならない事を、よく確認してください。
パンフォーカスにする為の絞り値ついて
今回はお二人共に、絞り込みをしていたように思えます。
しかし、画像をよく見ると白壁の前にあるモミジにピントが入っておりません。
回折現象のことも有り絞り込む事が出来なかったと思いますが、被写体が遠くの場合はf11でも十分ですが、今回のような近い所の被写体をパンフォーカスにする為にはf16まで絞っても良かったと思います。
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3 K.Uさん
F5.6 1/400秒 ISO100
焦点距離 55mm
形の奇麗な赤いモミジがバランス良く配置されて、とても素敵ですね。
写真は主役となる被写体の背景がとても大切です。
一般的に背景はシンプルにすれば主役が引き立つようになるようです。
今回は背景の木漏れ日がちょっと気になります。 -
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背景をシンプルにまとめる解決策は
・背景に不要な光の入らない場所を選ぶ。
・被写体にもっと近づいて撮影する。
・できるだけF値の小さいレンズを選ぶ。
以上、次回は一寸今回の事を思いだして撮影してください。
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4 Y.Tさん
F5.6 1/400秒 ISO100
焦点距離 55mm
山門近くの紅葉がほとんど終わっている中、奇麗な紅葉を見つけましたね。
主役となるモミジが下部分に追いやられた感がします。反対に屋根瓦が目立っていますね。 -
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特に気を引く屋根瓦ではないと思うので、主役を引き上げる為トリミングしてみました。
ただこのモミジがどんな状況下にあったのかを思い出す意味で全く無いのも寂しくなります。
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5 T.S さん
F10 1/20秒 ISO100
焦点距離 38mm
明暗差のある被写体です。逆光での撮影で、空が明るく(ハイライト)お寺の門が真暗(アンダー)になってしまってます。
この場合、明るい白い空は画角には入れないのがベストです。
ピント位置をもう少し奥(山門より少し手前)に合わせれば、赤いモミジにもピントが入っていたようです。
目線が石畳から山門そして赤いモミジに続きとても良いですね。 -
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縦構図のトリミング
全体の露出を明るく、シャドーをプラスにしてハイライトをマイナスにしてみました。
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21 K.Uさん
F6.3 1/400秒 ISO400
焦点距離 62mm
このお寺の紅葉を一まとめにしてとても素敵な写真ですね。
「主役」と「脇役」は何でしょうか。
参道に落ちているモミジの落葉も素敵ですが・・
シャッタースピードは1/400秒ですが、ISO感度が400の必要があったでしょうか。 -
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この時一番綺麗に紅葉していたモミジの背景に白壁を持ってきたのがとても良いですね。
白壁の白トビを軽減する意味でも・・・。
参道の落葉は影で暗くなっていたので、下部と右端をトリミングしてみました。
望遠レンズを使ってこの画角を狙うと、白壁の前に見えるモミジがより大きく、強調されて写ります。
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22 Y.Oさん
F5.0 1/320秒 ISO500
焦点距離 35mm
縦構図にすることで手前から奥までがしっかり見え、紅葉のボリュウーム感が満載で、とても良いと思います。
この位の広角域を使って絞値を9位にすれば、山門付近の紅葉もしっかり解像していたと思います。 -
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白壁が白トビしているようです。なるべく白トビしている箇所は少なくするように構図を考えます。
もう少し右に立ってカメラを構えると右のモミジが白壁を隠し、さらに参道の石畳も中心になり目線が通る写真になっていたように思います。
ハイライトをマイナス アンダーをプラス補正しました。
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23 Y.Oさん
F16 1/30秒 ISO200
焦点距離 48mm
標準域の焦点距離で撮影した為にモミジの木がそれぞれの存在感を増して迫力のある写真となっています。
ピントも前後にしっかり入っているのですが、今一つ全てが解像していません。
三脚をお使いだと思いますが、レリーズ又はタイマーをお使いだったでしょうか。 -
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迫力のある一枚になりましたね。
今回は露出を全体的にプラスして、白壁のハイキーをマイナスにしています。
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24 C.Tさん
F7.1 1/200秒 ISO160
焦点距離 24mm
奇麗な紅葉の山道と山門のバランスがとてもいいですね。
f7.1でも焦点距離24㎜の広角域を使う事で、手前から奥までピントの合っている写真をお撮りになありましたね。
一寸露出がアンダーであったのが残念です。 -
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左部と下部をトリミングして黒つぶれ部分をカットしました。全体の露出を上げ、アンダーをプラス補正しています。
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25 T.S さん
F10 1/125秒 ISO100
焦点距離 68mm
この写真の「主役」「脇役」は何でしょう。
ここで目に入るのが「正楽寺」の石版が目立ちます。
狙いは面白いと思いますが、石門の表面に太陽光が直接当たり光っていました。モミジも太陽で影になりすっかり黒くなっていました。
なるべく被写体を決める場合は明暗差のある所は避けたほうが無難です。
ただ、狙い方によれば面白い写真になります。 -
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石門にかかる「モミジ」が主役であれば、
トリミングで石門をカットしてモミジの表示面積を大きくしてみました。更にモミジを明るく、石門のハイライトをアンダーにしました。
石門に写っているモミジの影を主役にするのも面白かったかもしれません!
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26 Y.Tさん
F5.6 1/80秒 ISO100
焦点距離 135mm
印象的な良い写真ですね。
「主役」「脇役」は何でしょうか。
赤いモミジ と モミジの影 が見えます。 -
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仮に「モミジの影」が主役で「モミジ」が脇役であれば、
赤いモミジを画面の半分より少し少なくしてモミジの影を大きくして撮影したらどうでしたでしょうか。
今回、あえて赤い奇麗なモミジの構成比を減らしてみました。